チューダー以前に存在したロレックスのディフュージョンブランド、〈オイスター・ウォッチ・カンパニー〉の腕時計です。

金属の塊を削り出すことで生まれる厚手で質実剛健なステンレススチールケースや、独特のねじ込みリューズのボリューミーなシルエットなどは、すでにロレックスを彷彿とさせる王者の風格。ボーイズサイズながら足の長いラグも特徴的で、確かな存在感を放っています。 特にサイドから眺めた際の力強い流線型は圧巻。

大振りな夜光アラビア全数字インデックス、同様に夜光を伴ったペンシルハンドといった、こちらも同時代のロレックスの面影を残す文字盤デザイン。6時位置のインデックスをレイルウェイ上に夜光を盛る形を取っているのもユニークです。ほどよくきつね色に色づいた味わい深いエイジングもまた魅力的。

ムーブメントはフォンテンメロン社のCAL.59を搭載。オイスター社の跡を継ぐ形でリリースされたチュードルでも搭載される名機のひとつ。

オイスターケースの重要性は、裏蓋内に刻まれた各国のパテントナンバーも物語っています。また、”OYSTER WATCH CO.”のほか、”R.W.C.LTD（ロレックス・ウォッチ・カンパニーLTD）”の刻印や、ロレックスを頂点とするグループ企業”SAR（ソサエティア・アノニム・ロレックス）”の名が併記されていることから、1940年代前半までそれぞれグループ傘下企業として存在していたことが推測されます。

着用するベルトは、イタリアンレザーのひとつ「ドラーロ」を採用したadvintageオリジナル。ハリがありながらきめ細かい肌を持ち、使い込んでいくうちに艶が生まれ、美しいエイジングが楽しめるのが特徴です。